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nismo カッパーミックス



【交換まで】
 走行距離が14万kmを越えクラッチの繋がる位置が手前になってきたので,2度目のクラッチ交換を行いました。初回は6万km走行時に交換していたようですが,2個目は約8万km使用での交換となりました。
 クラッチディスクは,2002年に発売され,まだまだ装着の情報が少なかったニスモのカッパーミックスをチョイスしました。フェーシングの摩材に銅を配合させたことで,純正に近い圧着力でも伝達効率を大幅にアップさせた新開発のクラッチだったので,ぜひ試してみたいと思っていました。クラッチ交換に合わせて,ニスモの強化ピボット,テフロン・ステンメッシュクラッチホース,強化ペダルブラケットに交換し,さらにミッションマウントとミッションメンバーのブッシュも交換しました。オペレーティングシリンダーは,カッパーミックスでニスモのビックオペにするとペダルが軽くなりすぎるとのことだったので,純正品で交換しました。

【交換作業の様子】

ピットのマフラー無しのHNR            ミッションマウントとブッシュ(それぞれ右が新品)
 上の右の2枚の写真がミッションマウントとブッシュです。それぞれの写真で左に写っているのが,つぶれたマウントやブッシュで,右が新品です。私はハードな走行をしないのと,ボディへの振動を考慮して,ニスモの強化マウントではなく純正品をチョイスしました。


 取り外したクラッチディスクのフェーシングは,リベットまであと0.5mm弱というところでした。乗り方次第では,まだまだ使えそうなくらいではありますね。実際,フライホイールはまだまだ使える状態でした。カバーは,ディスクといっしょに交換するのが普通らしいです。どちらも鏡のように表面がピカピカでした。

【交換後およそ20km走行して】
 カッパーミックスのクラッチディスクは純正品のようにダンパーが付いていないので,純正から交換した直後は,繋がる時のダイレクト感が随分強く感じられました。さらに,繋がる位置が奥になるため,しばらくは発進で手こずりました。純正よりもカバーの圧着力が高いので,ペダルが重くなると思っていましたが,実際は軽くなりました。使用に伴いフェーシングから発生するダストによって,純正クラッチでもペダルが大分重くなっていたようです。
 回転数を3000rpmまでと決めた慣らし運転での状態ですが,軽量フライホイールの効果が意外と大きく感じられました。吹け上がりが良くなった分,低回転域の重苦しさが改善され,低速トルクがアップしたように感じられました。アクセルレスポンスが間違いなく良くなりました。
 また,交換するまで,クラッチペダルを踏むとキコキコと音がする状態で,スプレーによるグリスアップで3年ほどだましだまし乗っていたところだったので,音がしなくなったのも良かったです。音の原因はレリーズフォークの支点となるピボットのグリス切れだそうですが,ミッションを降ろしてバラしてグリスアップしないと完治はしません。

【交換後およそ120km走行して】
 ペダルの重さが徐々に重くなっていくように感じましたが,単に体が慣れていっただけかもしれません。発進時の操作には2日目ですぐに慣れましたが,セコ発進はもう少しかかりました。ギアが4,5速の時の1000〜2000rpmでクラッチ・ミッション周辺から「ゴォーッ」という音が発生することに気づきました。エンジンの低回転の振動に共振しているような感じの音です。2000rpmを過ぎると音は消えます。違う設計のクラッチディスク,カバー,フライホイールになり,系の固有振動数が変わったせいだと思いますが,慣れてしまえば気になりません。
 初日に戸惑ったクラッチの繋がり方ですが,ダイレクト感が増したおかげで「トン」と腰のあたりを押されるように繋がってくれるので,クルマの動きがよくわかり,運転していて気持ちがいいです。あとは,強化ペダルブラケット,ステンメッシュクラッチホース,クラッチフルードに使用したWAKO'S SP-Rのおかげか,ペダルタッチがシャキッとした感じになりました。
 また,クラッチの話ではありませんが,同時に交換したミッションマウントやメンバーブッシュのおかげでギア(特に1速)の入りがよくなりました。

【交換後およそ1000km走行して】
 交換後1000kmまで慣らし運転をしていました。現在はカッパーミックスにしたことも意識せずに,普通に乗っています。この“普通に乗れる”というのがこのクラッチの最大のメリットだと思います。繋がる感じは,上でも述べているようにダイレクト感が増した感じは確かにありますが,決して扱いにくいことはなく,半クラがしづらいとかいうこともありません。しかし,5000rpm以上でのクラッチミートは純正とはかなり変わっていて,ガツンと繋ぐようにペダルを操作すると「ドンッ!」とパワーが伝わり,実際よりもハイパワー車に乗っているかのような感覚が味わえます(笑)。
2012年3月3日改訂

To the tuning spec.

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